ガンと言われたら…

病気になった時、一番頼れる防御役は免疫系統です。

昨日できる状態にさえしておけば、私たちの想像をはるかに超える働きをしてくれます。

ガンが発症したら、からだは防御機能を総動員させて闘いますが、ここでホリスティック療法の出番です。

十分に栄養を補給し、どんな場面に直面しても、体全体が最適な状態で機能するように持っていくのです。

抗ガン用として、食物繊維や抗酸化物質がたくさん入った特別食も犬猫のフードではあります。

(うさぎにはありませんので、私たちが科学的根拠に基づいて作っていく必要があります。)

この食事には通常ビタミンAやB群、C、E、セレン、鉄、コエンザイムQ10(CoQ10)、必須脂肪酸、消化酵素、ジメチルグリシンなどのビタミンやサプリメントが強化されています。

(私はウーリーのうさぎのチカラのちからと日本ビーエフのアニマストラス(液体、顆粒どちらでも)の2種をお勧めします)

それぞれの動物によって必要なものが違うので、ガン治療に精通しているホリスティック獣医に相談するのも良いでしょう。

 

【ハーブ療法】

ハーブは「ガンと闘っているからだを支える」という重要な役割をします。

ハーブ療法には、ガンになった時、特に大切な役割をする体内の臓器や器官を強くする作用があります。

ガンは非常に」変化しやすいうえ、同じ状態のガンはないし、ガンを患う動物の代謝も個々によって異なるので、ガン自体にハーブ療法を適用するのは難しいですが、しかし、ハーブ療法のすべてに共通している重要な点は、からだの老廃物をろ過し、排泄する器官である肝臓や腎臓、リンパ系を支えていくというところにあります。からだの浄化ができれば免疫機能を妨げることが減り、さらにガンと闘く力が増えることになるからです。

名うてのエジアックやホクシー療法などはこの作用をするものです。

ここ数年間に、何度か調合は変わっていると思いますが、この2つの調剤には、血液の浄化や消化促進、さらに、主に消化器官系での老廃物の排出を目的とした体質改善作用や、胆汁排出促進作用のあるハーブが多く含まれています。

ホクシーにはいろいろな種類がありますが。たいてい6種類以上のハーブを使っています。

それでもハーバリストの中には、元来はレッドクローバーバードックの2種類だったという人もいます。

レッドクローバーは、抗ガン作用のあるハーブとして一番にあげたいものです。

発がん性物質の活動を抑制したり、血液中の構成要素を改善したり、体全体の細胞組織の浄化に必要不可欠なリンパ機能を強化する働きをします。

また、腫瘍に養分を供給する血管の生成を抑制されるステロール成分も含んでいます。

アルファルファも同様の作用がありますが、レッドクローバーのように腫瘍の増殖を抑制する働きがあるかどうかは、まだわかっていません。

体内に老廃物の毒素がたまっていると免疫系の働きが鈍くなるので、体外に排出する必要があります。

バードックダンデライオンの根は、肝臓に穏やかな刺激作用を与え、消化や老廃物の排泄を改善します。

これらのハーブはろ過の役割をする器官を酷使するわけではないので、長期間使用することができます。

イエロードック(ナガバギシギシ)は非常に強力な肝臓強壮作用があり、重金属毒害の治療薬としても知られており、緩下作用もあります。

マリアアザミは、長期にわたるガンなどの疾病(しっぺい)の薬剤療法で肝臓が損傷を受けているときに使います。

利尿作用のあるハーブは、腎臓や尿管を通して老廃物を体外に排泄します。

その中で一番おすすめなのは、ダンデライオンの葉ネトルです。これらのハーブは排尿を刺激し、浄化作用中に失われるカリウムなどのミネラルを補給します。

毒素を取り除くと同時に、尿管や消化管の粘膜の炎症を緩和するにはスリッパーエルム(アカニレ)マシュマロウフラックスシードオオバコなどがよいでしょう。

肝機能が弱って慢性の便秘になったら、動物の体重13㎏に対して0.25mlのターキールバーブ(食用ダイオウ)のチンキを1日に3回与えてみましょう。

ただし、下痢や腸の痙攣などいろいろな症状が起きてしまう可能性があります。使用期間や量は必要最低限にしましょう。

※うさぎはそのままルバーブの葉を少量食べさせる

 

免疫刺激作用のあるハーブは、ガンに対する免疫反応を高めます。

特に良いのはアストラガルス(オウギ)で、ガンで低下した動物の免疫作用に働きかけ、活力を活性化させます。

ガーリックも効果的な免疫強壮作用にあるハーブです。

免疫細胞であるキラーT細胞やその他の免疫化合物の産生を活発にし、酵素反応を強くして老廃物を分解し、悪いものを血管に送りこまないようにします。

ガンの種類が特定され、それぞれの動物に不足しているものは何か、ガンに対する免疫力の程度などがはっきりすれば、直接その種のガンに効果のあるハーブを処方できます。

以前にも述べましたが、これはガンの知識が豊富で、治療に慣れている専門家の経験が必要になります。

それぞれ、ある特定のガンによいというハーブがたくさん出てきたので、これからが期待されています。

アロエベラから抽出されたアセマンナンは、線維肉腫と猫白血病ウイルス(FeLV)に効果的なことが証明されています。

アセマンナンはこの致命的な病気の原因とされているウイルスに対し、免疫攻撃を高めるとされています。

ハエジゴク(食用植物のハエトリグサ)から抽出されたカーニボーラという静脈用製剤は、悪性腫瘍の治療に用いられています。

カーニボーラは1999年には(25年前)北アメリカでは使用は認められていませんがヨーロッパでは腫瘍を小さくするという素晴らしい結果が出ています。

ハーバリストもスミレの葉の抽出液を用いて、ある種のガンに良い結果を出しています。

これも腫瘍を小さくする効果があるといわれています。

 

※ペットのためのハーブ大百科…グレゴリー・L・ティルフォード、メアリー・L/ウルフ著書 より抜粋

 

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